棚橋弘至というプロレスラーを知っていますか?
彼がメインイベントで勝利した後に必ず言う言葉があります。
「○○のみなさん あいしてまーす」
※○○にはその会場の地名が入ります。
なぜ、このフレーズを紹介したかというと、今でこそ女子の間でブームになっているぐらいの人気のプロレスですが、10年ぐらい前は暗黒期と言われて、全くプロレスの人気がない時期がありました。
総合格闘技やK1の人気に押されて、プロレスはダサいという印象を持たれていました。
以前はドームで年間数試合行なっていたのに、どんどん減っていっていました。もちろん会場もガラガラで、プロレスがなくなってもおかしくない時代でした。
そんな時に新日本プロレスのエースになった選手が棚橋選手でした。
棚橋選手はそんな人気がない中でも、握手会やイベントにも積極的に参加して、プロレスの魅力を少しでも多くの人に伝えるためにほとんど休みなく活動していました。
そして、今までのプロレスといえば、
「このやろう!ぶっ飛ばすぞ」など汚い言葉が多かったのですが、そんな中で棚橋選手は、
試合後に、エアギターを披露して、
「愛してまーす」
と言い出したのです。
当初はそんな棚橋選手にブーイングの嵐でした。エースなのに全然人気がなかったのです。
しかし、それを続けていくうちに、ちょっとずつファンが増えて、今のように爆発的な人気になっていきました。
今では、棚橋選手が「愛してまーす」を言わずに帰ろうとすると、
「棚橋、棚橋、棚橋」
と大歓声で呼び戻す声がでてきて、エアギターと「愛してまーす」を待ち望んでいるファンが増えてきました。更にいうと
「アンコール、アンコール」
とエアギターのアンコールを要求する始末です。
一番苦しい時期に、常に笑顔でエアギターと「愛してまーす」を言い続けた男が棚橋弘至なのです。
彼の素晴らしいところはメンタルです。
棚橋選手自身は、「メンタルはもともと強くなくて、メンタルは鍛えた」と言っています。
仕事で結果が出ない、人間関係がうまくいっていないといときには
「辛い」
という感情が出てきます。
その「辛い」という感情は「心の筋肉痛」だと。
彼は、トレーニングで筋肉痛になると、筋トレ後の超回復で、しめしめ、これでまた筋肉が強くなると、喜んでいるそうです。
心も同じで、これでメンタルが強くなると、辛い状況を受け止めることができるようになるのです。
今仕事がうまくいっていないと思った方は、今は心の筋トレをやっていると思ってみてください。
普通の筋トレと同様にもちろん休養も大事です。
参考文献
史上最強のメンタル・タフネス
棚橋弘至
PHP文庫