「ワークショップや研修の場では、人の話を傾聴できるけど、職場では、どうしても部下の話が聴けなくなる時がある」
傾聴道場を開催していると、そんな悩みをよく相談されます。
部下に好奇心を持って、しっかりと部下の話を聴くスタンス、そして相手をしっかり見るということが、重要なのはわかっているけど、それができないことがある。
なぜ、だと思いますか?
コーチングなどで傾聴を学んでいる人でも、職場で部下の話を傾聴できないことが数多くあります。
例えばこんなケースはどうでしょうか?
・部下が、自分の意見と反対の意見を持っている
・部下の意見が、甘い、もしくは間違っていると思ったとき
・部下の話がまとまっていなくて、何をいっているかわからないとき
など
傾聴が大事なのはわかっているのに、職場で傾聴できないよくある理由は、相手の話を聴くことにより、自分に不利益があると無意識的に感じてしまうからです。
例
・反対意見や甘い考えを認めたら、自分の考えているように進まない
・的を得ていない話を認めたら、仕事が混乱する
では、このような時にどうすればいいのかというと、相手の話を「まずは、受け止める」というスタンスを持つことです。
意見が違っていたとしても、相手の話を、まずは、受け止めて、そこから自分の意見を述べて、話を進めるほうが、反対意見の衝突による人間関係の問題も起こりにくく、また、人間関係を過度に気にして、自分とは違った意見を我慢して採用するということもなくなってきます。
「まずは、受け止める」には以下の3つのポイントをぜひ意識してみてください。
1 相手の話を否定しない
2 相手の話を繰り返す
3 「I」メッセージで伝える。 例 自分はこう思う、私の考えは、
★受け止めない 例
部下Aさん「今回のXプロジェクトの進め方は、このままではうまくいかなそうです。もっと積極的な投資をしたほうがいいと思います」
マネジャー「それは違うよ、今はマーケットの状況を見るのが大事だ」
部下Aさん「そうは言っても、この状況で待っている余裕はないです」
マネジャー「考えが甘い!だめだよ、まだ打ってでる時じゃない」
部下Aさん (この人に何言っても無駄だ、、、)
★まずは受け止める 例
部下Aさん「今回のXプロジェクトの進め方は、このままではうまくいかなそうです。もっと積極的な投資をしたほうがいいと思います」
マネジャー「Aさんは、もっと積極的な投資をしたほうが、うまくいくと思っているんだね」
↑
(まずは、受け止める)
Aさん「はい」
マネジャー「積極的な投資も大事だと思う。同様にマーケットの状況を見てみることも、大事だと思っているけど、どうだろう」
↑
(受け止めてから、自分の意見を伝える。)
Aさん「確かにその考え方も大事ですね」
↑
(受け止めてもらったので、相手の意見を聴くことができる)