2017/12/20

視点の落とし穴

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前回は、可能性を阻む要素の一つである「サボタージュ」という思考の存在について述べていきましたが、今回はもう一つの要素、「視点」についてです。今回より2 回に分けてお話していきます。

「視点」

一般的な言葉ですが、改めて「視点」 という言葉の意味を調べると、「視の注がれるところ」「物事を見たり考えたりする立場。観点」「ものの見方」 とあります。皆さんはどのような場面でこの「視点」を活用されているでしょうか。

あまりに日常的過ぎて答えが出てこないかもしれませんが、 恐らくさまざまな問題に直面したときに解決していく一つのマネジメントスキルとして使われているのではないでしょうか。「いろいろな視点から考えてみよう」とか、「違う視点に変換してみたらどうだろう」等々。

具体的な例として、部下に対してアドバイスをするときに、「今の状況を短期的にしかとらえていないようだが、長期的に考えてみるとどうだろう?(時間軸での視点変換)」とか、 サービス業であれば「オぺレーションサイドからしか考えていないように感じるが、お客さまの立場に立ってみて考えることも大事だよ(役割軸での視点変換)」等が、「視点」を活用した例です。

つまり、今の「状況、状態」を現在どのような「視点」で見ているのかを指摘し、その「視点」から考えると(その見方をしている と)どのような解決策やアイデアが思い浮かぶのか、そして最終的にそのいろいろな「視点」から現段階における最善の「視点」を選択して行 動を決定していく、という思考のステップです。マネジメント研修でも、 問題解決していく方法の一つとしてよくこの「視点変換」についてお伝えすることがあります。

視点の落とし穴

前述したように、前号でお伝えし た「サボタージュ」と同様、「視点」 についても、そもそも、今どのような「視点」で物事を見ているのか、

自分一人ではなかなか気付かない場合が多いのです。これをコーアクティブ・コーチングでは「視点にはまる、ある視点に陥っている」と表現して います。そのときの分かりやすい症状としては、「行き詰まり感」「にっちもさっちもいかない」「こうするしかない」という状態です。

一つの視点からしか物事を見られなくなっているときは、この「状況や状態」ではもう打つ手がない、この方法しかない、というとても狭く、力の出ない行動を選択してしまいます。これを繰り返していると、自分で何かを選択しているというより、状況や環 境に左右され過ぎ、当然生き生き感ややりがいが感じられないでしょう。

「状況や状態」をしっかりつかむこと は大切ですが、その現実を「どうとらえるのか、どう見るのか」は自分次第である、ということなのです。

「思い込み」の明確化

ここまで「視点」という言葉を使ってきましたが、別の言い方をすると、 「思い込み」とも言えます。コミュニケーション研修でもよく話しますが、 コミュニケーションがうまくいかなかったり、成立しなかったりする大きな原因はこの「思い込み」にあるのです。

「思い込み、ものの見方」は人とのコミュニケーションだけではなく、自分自身のモチべーションや 可能性の広がりを阻害していきます。 前述したように「行き詰まり感」「にっちもさっちもいかない」「こうするしかない」という状態のときにコーチは言葉になっていないその奥にある「思い込み」を言葉にして指摘していきます。

もちろん、推測だったり直感だったりするのですが、相談者に確認しながらその「思い込み」を明らかにしていきます。ここで大事なのは、「視点」に良い悪いはない、という意識です。

ただ単なる一つのものの見方であり、そのような見方をしていて、それによってモチべーションが下がったり、仕方なく行動を選択したりしている、ということが起きているだけなのだ、という考えで、 「今、何(対象)をどう見ているか(視点・思い込み)」が明確になると、その「対象」に対して新たな「視点」 を見つけるスタートラインにつけるのです。 少し練習していきましょう。

Aさんが悩んでいます。次の相談からAさんの「何(対象)をどう見ている(視 点)/思い込んでいるのか」を考えてみてください。

「最近、目標の数字 に達成しない月が多くなってきまし た。チームメンバーにこれ以上プレッ シャーをかけるとモチべーションは 下がるし、そうかと言って達成しな ければ上司に叱られ、おまけに私の 評価も下がって昇格に響くし、そう なると最近子供も生まれて経済的にもどうなるか…。どうしたものかと …」と、かなり悲観的なトーンです。 さて、このような相談を受けたとき、 あなたならどのような第一声が出てくるでしょうか。

「原因をしっかりと分析をしているのか?」とか「そんなこと言っている間にコーヒーの一 杯でも売ってこい!」、「チームメンバーを甘やかしているんじゃないの か?!」…というようなことでしょうか。今回はそのパターンではなく、Aさんの「対象」と「視点」を客観的に考えてみてください。ほかにも あるかもしれませんが、二つほど書き出してみましたのでご覧ください。

(1)「チームメンバー」(対象)を「こ れ以上のプレッシャーには耐えられないに違いない!(見方)と思い込んでいる。

(※極端な語尾にする方が分かりやすいので敢えてそうしています)

(2)「数値結果」(対象)を「自分の人生を左右するものだ!(見方)と思い込んでいる。

いかがでしょうか。対象に対して見方を書いてみましたが、そもそもこれは事実でしょうか。もし上記のようであれば、前に進むエネルギーは沸いてこないのは当然です。では、

「チームメンバー」や「数値結果」に対する見方を変えていくには、どのようなかかわりが必要になってくるのでしょうか。

創造力の開発/創造力からの視点変換

ここで先日ご紹介したに礎の一つ目をもう一度読んでみてください。

「人はもともと創造力と才知にあふれ、欠けるところのない存在である」

という部分です。コーアクティブ・コーチング®では、「人は本来、状況や環境から仕方なく未来を創るのではなく、自ら選択して可能性から未来を創っていきたい、と願っている」 という、本質的な願いの実現に向け たかかわりをしていきます。具体的な例は次号でお伝えしていきますので、まずは「行き詰まり感」に遭遇した時に「今、何をどのように見ているのか」という問いを使ってはまっている視点と対象を明確にする練習 をしてみましょう。

 

次号に続く

今回の柴原の記事は週刊ホテルレストランで連載されています。

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