仕組みの問題?関係性の問題?で紹介したリレーションシップ・アジリティープログラムのそもそもの目的は、参加者のリーダーシップを高めるためのものであり、望む成果のために自ら関係を創る力を高めることを意図しています。
言い換えると、関係を創るということは、ただ単に仲良くなるというわけではなく、目標や目的のために、どのように話をして関係を創っていけばいいかということになります。
そのリレーションシップ・アジリティーの中でも、今回は部下に対する指示の出し方をご紹介します。
あなたは、部下に指示を出すときに、どのように指示を出していますか?
「飯島さん、あの報告書作ってください。明日ぐらいまでにできるかなぁ?」
こういった指示を出していませんか?
上司からこういった指示を出されたたら、あなたならどのように受け止めますか。
一つの受け取り方が、「上司の要求として捉えて、明日までに提出する必要がある」
もう一つは、「できるか?と聴かれたので、部下側にできる、できないを答える選択肢がある」
という受け取り方
これは、要求と要望の違いです。
こういった指示の出し方一つが、部下との関係性に現れるし、影響を与えていきます。
要求は、いわゆる指示にあたります。要求は悪いものではなく、「その仕事をやってください」という上司からの意思表示で、仕事を進めて行く上で必ず必要なものでもあります。
一方、要望は、部下に主体性を促します。部下が仕事の状況を考えて、答えを決定できます。
ここで、要望を使うときの難しいポイントは、要望のつもりで伝えたのに、相手は要求と受け取ってしまうことです。
例えば、締切に余裕がある仕事を部下に依頼して、
「資料はいつまでに、できそうですか?」
と聞いたところ、部下がすぐにやらなければいけないと思って、無理して残業して、その日のうちに資料を作成しました。もし、こういったケースで、その資料提出時に、「急いでなかったのに」と言われたら、おそらく部下はカチンとくることでしょう。
これは、要望の伝え方はもちろんですが、普段の関係性も影響してきます。
自分が部下に伝えた内容が、要望のつもりでも要求に受け取られることが多いと思った方は、要望の伝え方を注意して、言葉を明確に伝えることを意識してください。
部下への指示を出すときに、要望、要求を意識することによって、部下との関係性も変わってくるので、ぜひ要望、要求を使い分けるということをやってみてください。