2018/04/12

Co-ActiveのCo

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Co

「Co」とは、一般的に英単語の接頭語として「Co ~」と使われ、意味としては、「共に、一緒に、共通に、同程度の」という意味を持っています。pilot(パイロット)にcoをつけたcopilotは副操縦士になります。

「コーアクティブ= Co-Active」とは造語で、「コーアクティブ・コーチング」は「コー」の要素と「アクティブ」の要素の両方持ち合わせてクライアントに向き合うということを意味し、クライアントと共にクライアントが目指す姿に向けて一緒に進んでいくかかわり、協働関係を表しています。

「Co」の要素を一言で表現すると、セッションやセッションとセッションの間のクライアントの存在をコーチとクライアントの関係性において見守る「器」のようなものです。その関係性の「土台」、「場」、「コーチの存在」という言葉で現され、いずれも目にみえないものですが、クライアントが安心して自分自身を見つめる、向き合うことができるのは、この「Co」が存在するからです。

少し想像してみてください。もし質問や要望ばかりされて、話したことを一切受け取ってもらえず、時には否定され、今の状態(感情や思考等) に一切興味を持たれず、コーチ側がクライアントに対して望む姿になるようにかかわって(操作)いたとしたら、そこはどんな「場」でしょう。

自分自身がクライアントだとしたら、何を感じるでしょうか。恐らく、評価されるかもしれないという恐れからくる緊張や、自己防衛が働くのではないでしょうか。

そういう「場やコーチのかかわり」はクライアントの変化に向けた「器」がないかかわり、つまり「コーアクティブ・コーチング」ではない、ということになります。クライアントが本当に心から望む姿へと本質的な変化をしていくためには、クライアントがしっかりと自分で自分のことを考えられる安心・安全な場を一緒に創っていくことがとても大切だと考えているのです。

沈黙

目に見えない「Co」に輪郭をつける意味で「沈黙」を用いて書いてみたいと思います。皆さんは、特に面談時において相手が話さなくなったとき、何を感じ、どのような行動をとりますか?

いわゆる「沈黙」がその場に起こるときに、御自身のパターンとしてどのような思考が起こり、どのようなかかわりをするか、という質問です。

関係性の違いによってそれらは違うかもしれませんが、少し部下との対話時で沈黙が起きた時のことを思い出してみてください。
「今何を考えているのだろうか?」「私の話は伝わっただろうか?」「落ち込ませただろうか?」と相手に意識が向く思考や、「何か話さなければ」「この場をどうしたらいいんだ」のように、自分に矢印が向く思考等々、いろいろなことが瞬時に頭をよぎると思います。

「沈黙」は「場の雰囲気を悪くするもの」という感覚を持つ方が多いのか、「沈黙」が苦手だと言われる方はとても多いです。しかし、この「沈黙の場」はコーチングに大きな力を与えてくれます。上述した思考の例を見てもお分かりの通り、「沈黙」という時間はいろいろなことを考えさせてくれます。

「沈黙」は人が内省する、学習を進めるためのとても大切な時間なのです。質問や何かのきっかけで考え始めようとしたときに、さらに矢継ぎ早に質問を重ねられたり、アドバイスされたり、時には「黙ってないで答えろ」と叱られたりすると、そこで思考はストップしてしまいます。もったいない話です。

部下が黙ったときにこそ、その時間部下がしっかり思考できるよう一緒に(Co)場を創るかかわりをしていくこと、また意図的にそのような時間を創っていくことはとても大切な「Co」からくる働きかけです。

「すぐに答えが出てこないようですね。3分程時間をとりますので、少し考えてみてください。(沈黙の時間を創る= Co)」とか「(沈黙の時間を一緒に過ごしながら= Co)今、黙っているけど、どんなことを考えていますか?/何を感じているのですか?」等々、相手が「沈黙」の時間を自分のために使えるように支えていく存在は正に「器」の存在です。いかがでしょうか。

この「沈黙の場」が部下との対話時に加わってくると、どんな変化が起こりそうでしょうか。

いったん受け取る

「沈黙」の後の発言はもしかすると全く期待したことと違っているかもしれません。または「考えましたが、何も思い浮かびません」、というように答えが出ないこともあります。そのときに、「そんな答えしか出てこないのか」や「考えが足りん」等、すぐに評価や叱責したりするかかわりをしてしまうとせっかくの「沈黙」の時間が水の泡です。相手と一緒に相手の成長のために創っている時間ですから、相手の発言を大切に取り扱うことが大事です。そのための姿勢として、目の前で起こることに反応的にならず「いったん受け取る」という姿勢も「Co」=「器」です。

「いったん受け取る」という姿勢での行動としては、「そんなふうに感じたんですね/答えが出ないんですね」と、相手に起こっていることや発言を評価判断なく受け取り、そのまま返す。これだけでも相手は自分を支えてくれている人であるという認識をし、とても安心して話せるようになります。以前この連載で書いた「コーチングは思考する筋肉をつける」というのは、アクティブな「質問」だけでなく、土台となる「Co =器」のかかわりをセットで繰り返していくことで、考えることや考え尽くす経験が少なかった人にも徐々に筋肉をつけさせることが可能になります。

これまで「Active」なかかわりが多かった方は「Co」を、逆にこれまで「Co」が主なかかわりだった方は「Active」を意識し、両面から成長を見守ってみませんか。

今回の柴原の記事は週刊ホテルレストランで連載されています。

 

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