2018/05/08

コーチング力を磨く方法

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前回では、コーアクティブ・コーチングの「Co=コー」、「器」についてお伝えしました。積極的なかかわりだけでなく、それを受け止める、見守る「器」の重要性をお分かりいただけ たかと思います。さて今回は、コーチングセッションをするときにどうするか、というこ とではなく、普段の生活の中でコーチングの力、コーチとしての「器」をどのように広げ磨くことができるのか、具体的な二つの練習方法を私の経験を交えながらお伝えしていきたいと思います。

練習1 自慢話/武勇伝を聴く~ 一日一回、誰かに頼んで自慢話/武勇伝を聴かせてもらう

日常で人の自慢話を聞く機会はどれくらいあるでしょうか? 職場や仕事関係の人、家族、友人から自慢話を聞いているとき、あなたの心の中でどのようなことが起こっていますか?あなたはどんな気持ちでその話を聴いているのでしょうか。

私自身、コーチングを学ぶ前は、「この自慢話はいつまで続くんだろう…、適当に相づちでもうっておくとしようか…」「またこの話か…」「それくらい誰でも経験しているし…」のように、心の中ではそういった自分の声が充満していて実際のところ全く聞けていないことも多かったと思います。

しかし、お子様がいらっしゃる方はお分かりかと思いますが、自分の子どもが自慢話をし始めたら、一緒に喜び、「すごいね~」と認知し、もっと 聞かせてほしい、それを見せてほし いという気持ちになるのです。

皆さんも近いご経験があるのではないでしょうか。では、そこにどんな違いがあるのでしょう。 私がコーアクティブ・コーチングを学んで気付かされたのは、「自慢話/武勇伝」には、話をしているその人の「輝いた(ている)瞬間」が現れていて、生きていく上での大事な価値観や、生き方そのものが現れるということです。

また、何よりも話しているその瞬間のその人の表情やエネルギーはとても大きく、本当に生き生きしている、という発見です。 話の内容に優劣をつけていた小さな自分がとても恥ずかしかったのを今でも覚えています。

話そのものではなく、その人の人生におけるハイライトを聴く経験を繰り返すことで、自分自身の聴き方に変化が起こります。そしてこれはコーチングをする上でとても大切な経験です。コツと しては、内容を聴くだけでなく、「この人の大事にしているものは何だろう?」「どんな生き方をされてきた人なのだろう」「生き生きと話している目の前のこの人から今何を感じているだろうか?」と思いながら聴くこと、一緒に喜びを感じてみること、比較をしない/評価をしない

練習2 フィードバックをもらう~ 毎日3人から自分に対するフィードバックをもらう

仕事上では、「フィードバック」とは「評価/意見/反応」という意味で使われます。そしてその方向性は、やった「事/結果」に対してのフィードバックもあれば、「人/人柄/性質」そのものに対してなされるものもあり、どちらかと言うと、「人」という部分に対するフィードバックはよりインパクトが大きいと言えます。

フィードバックは、認められたといううれしさや、成長したという自負からくる喜びあれば、時には耳が痛く、不愉快であり、怒りや悲しみ を伴うこともある、人の心を揺さぶるデリケートなものだという認識をまずは持つ必要があると思います。

さて、コーチングを学ぶことで私自身が成長したと思うのは、「フィードバックする力」はもちろんですが、それよりも「フィードバックを受け取る力」がつきました。以前の私は、良いフィードバックをいただいても「こんな結果/自分ではまだまだ。」と受け取らず、耳の痛いフィードバックのときも「この人には言われたくないわ」と、誰に言われるかによって受け取る、受け取らないを決めていたり(相手を評価している状態)、「私の方が正しい(正当化)」と思ってみたりと、フィードバックすべてを自分の成長に生かしきれていないということに気付いたのです。

確かに、フィードバックがうまくない人も多いのですが、事実や自分の記憶はいったん横に置いて、なぜこの人はこういうフィードバックをするのだろう、と考えてみたときに、相手からのフィードバックは「自分への評価」ではなく、相手との関係性構築の歴史の中で「自分自身が相手に与えていたインパクト/相手に映った姿」なのだという大きな気づきです。そこには自分の意図が伝わっていなかったり、相手にそう思わせる何かを自分が発していたり、相手への敬意がなかったり等々、そのようなインパクトを与えた要因はいろいろあります。

大事なのは、どんなフィードバックであれ、自分自身が進化するために必要な材料である、という視点でフィードバックを受け取る自分であることです。その姿こそが、コーチとして人の可能性を信じるということを体現していることにつながるのだ、ということを学んだのです。

コーチとしての「器」はその人そのものの「器」である、ということもできます。相手の意識や思考の変化を望むなら、自分自身の意識や思考も進化させていく必要があり、その姿を見せていくことは、大きな影響を与えることでしょう。 コツとしては、

うれしいフィードバックは謙遜せず感謝と共に思いっきり喜びを表現する

耳の痛いフィードバックは、内容 や相手を評価せず「自分のインパクト」としていったん受け取る

受け取ったフィードバックをどのように、どんな場面で生かすかを考えて実行する

リーダーシップとの関連性

「コーチング」にもお一人お一人イメージがあるように、「リーダーシップ」にもそれぞれイメージをお持ちかと思います。英単語の「Leadership」という言葉を分解してみましょう。 「Lead-er-ship」となり、「Lead」「er」 「ship」に分かれます。日本語に訳すと、「( 目 的地へ/結果へ)導く、案内する、連れていく」「人」の「性質、能力、姿勢、技量、手腕」ということになります。上記二つの練習をすることは、ある意味、リーダーシップの発揮であるとも言えます。何かを相手に「する:Doing」ということと同時に、自分自身がそういう姿で 「ある:Being」ということで導くからです。ぜひ、二つの練習を今日から始めてみてください。

今回の柴原の記事は週刊ホテルレストランで連載されています。

 

うまくリーダーシップがとれないと思っている方へ7つのツールをご紹介します

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