部下「後藤部長、ちょっと提案書の金額、ミスっちゃて、赤でそうです。今更言えないので、このままにしときまーす」
上司「え、ちょ、ちょ待てよ」
部下「え、なんすか〜」
上司「・・・・ま、まあ 次からは気をつけてな」
部下「はーい」
上記の例は極端な例かもしれませんが、管理職の方から、普段から部下との関係が良好なため(仲が良すぎるため)、部下に厳しく接することができない。という相談をよく受けます。
もう少し説明すると、ミスをした時、チームがゆるみすぎているときなど、締めるところは締めなければいけないのはわかってはいるが、普段が友人のような関係性で仕事をしているために、どうもチームや特定の部下に厳しく対応することができないといった悩みです。
私はそういった相談をする管理職の方に、こういった質問をします。
「そもそも、なんのための関係性でしょうか?」
友人同士で仕事をするならば、なんとなく、なぁなぁな感じで済ますことはできるかもしれませんが、組織で成果を出すということを考えると、仲がいいという関係だけでは、機能しないのは当然のことです。
もちろん相談した方も、そういったことはわかっていますが、このような正論を言われたとしても行動に結びつかないことはよくある話です。
では、どうすればいいのでしょうか?
一つの例ですが、もし、部下に対して、厳しい言葉を伝えるのが自分ではなければ、少しいいやすくなるかもしれません。
とは言っても、誰かにお願いするといったことではありません。
それは、組織の目的やミッションから伝えるといことです。
言い換えると、組織の目的やミッションを上位概念にして話すと話しやすく、さらに重要なことを話す機会になるということです。
先週、コーチング研修をした参加者の1人が、上司は人ではなくて、ミッションを上司(社長)とすることが理想であると、発言されていました。
私もその言葉を聴いて、「なるほど」と思い、組織の目的に立ち戻ることができる考え方だと感心しました。
自分が部下を育成しよう、自分の経験で伝えようということも、もちろんあると思いますが、もし、そういったことを言いにくい関係性ならば、組織のミッションや目的から、部下に言葉を伝えるという方法を試すことをおすすめします。
言葉のかけ方 例
「自分たちのミッションとずれてきているよな」
「改めて、ミッションを見直してみないか」
「今、目的と照らすと、自分達はどの位置にいるのだろう」
「ミッションに向かおうとすると、今、自分たちに必要なことはなんだろう」