「あなたはどうしたい」
コーチングの研修において、未来志向の質問例として、この質問を多くの企業で紹介していますが、
「この質問をするのは怖いです」
という声をよく聴きます。
その理由を聞いてみると、
「相手を圧迫しているような気がします」
「自分が上司に言われて一番いやだった」
「質問している時に、どうしたいと質問返しされると腹が立つ」
「どうしたいということは、全然考えていないのではないか」
など、研修が紛糾するぐらい、いろな理由がでます。「あなたはどうしたい?」は、相手の本音を引き出す質問ではあるのですが、企業のマネジャーにとっては、かなりハードルが高い質問のようです。
(講師の立場としては、参加者の本音が出てきて、逆にいい感触であると思ったりしますが)
「あなたはどうしたい」
という質問の効果を高めるには、以下の2点を考慮する必要があります。
1.どのようなスタンスでこの質問を出すのか
2.質問の意図を相手が理解している
1つ目の「どのようなスタンスでこの質問を出すのか」は、相手が答えを持っていると信じる、相手を応援するというスタンスです。
逆の例を言うと、「自分で考えなければだめだろう」「自分の意見を持っていないのか」 と相手を詰めるスタンスで「あなたはどうしたい」と聴くと、それは圧迫された印象を与えやすくなります。
2つめの「質問の意図を相手が理解している」は、部下を応援したい、サポートしたいという思いで、コーチング的な関わりをしたとしても、そのスタンスが相手に受け取られない可能性があるということです。
例えば、「あなたはどうしたい」と質問をすると、どうしたいのかの気持ちではなく、部下は「どうするべきか」を答えようとしたり、上司が気に入る答えを考えようとすることが、実際によくあります。
こういったことが起こるのは、今までの上司、部下との関係性が大きく影響します。
もし、2のケースが起こる場合には、質問の意図を相手に伝えるということを試してみてください。
例えば、質問をする前に、以下のように意図を伝えると、相手に誤解なく、質問ができるようになりますので、自分なりの言葉を考えて試してみてください。
例
「○○さんが自分で考えたアイデアのほうが、よりやる気になるし、私があまり知らない現場に即した考え方もあると思うので、コーチングで関わらせてもらうので、じっくり考えてみてください」
「○○さんは、この案件、本当はどうしたいと思ってますか?」