2019/03/14

コーチを雇う

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先日、コーアクティブ・コーチング体験会を開催してきました。コーチングとは何かを「教える」のではなく、「体験」をしてもらうのみの場です。コーチングを教えてくれる場は沢山ありますが、体験のみをさせてくれる場所は案外少ないものです。参加してくださる方は、教師、心理カウンセラー、企業内の教育担当者、主婦、介護士、企業の営業担当者、経営者等様々で、またコーチングへの馴染み具合も、本で読んだことがある、会社の研修で習った、今回の広告で初めて知った等、様々です。そんな場をプロコーチ仲間と共にもうかれこれ15年間続けていますが、何故かホテル勤務の方は参加されたことがありません。そこに何かホテル業界の課題があるような気もします。

さて、今回は、日本におけるコーチング事情も伝えながら、コーチングの腕をあげていく上で欠かせない「クライアント体験」について書いていきたいと思います。

コーチング文化の浸透

コーチングを学ぼうと思った人の多くは、書籍やワークショップでコーチングに触れることから始めます。いきなりパーソナルコーチを「雇う」という方は中々いらっしゃらないのではないでしょうか。コーチングが米国から日本に入ってきてもう約20年経つにも関わらず、「パーソナルコーチ」という存在を知らない方もまだまだ多いのが現実です。アメリカでは、Google社の会長である、エリック・シュミット氏が2014年Fortune誌のインタビューでこんなことを述べています。

「ジョン·ドーア(※ベンチャー投資界の王と称されており、GoogleやAmazonに投資。)から、『CEOであるあなたは、自分のコーチを雇うべきだ。トップアスリートやパフォーマーはほぼ例外なくコーチを雇っている』という助言を受けて、自らコーチを雇った。」

最近では、外資系企業をはじめとして、日本企業でも徐々に導入が広がってはきているものの、残念ながら、日本企業のトップがコーチングについて公に発言される場面にお目にかかることは滅多にありません。エグゼクティブがコーチを雇う理由は、意思決定などを行う場合に、多面的な視野や視点の提供や、時にはパートナーとして耳の痛いフィードバックを与えてくれることがその大きな理由です。エリック・シュミット氏は自分自身の経験から、「すべての人はコーチを雇うべきだ」とも話しています。もっとトップ層の方々からコーチングの効果を聞く機会が増えることや、コーチングを推奨されるようなになればホスピタリティ産業も更に意識が進化するのではないかと考えます。

企業におけるエグゼクティブコーチの存在

企業がエグゼクティブコーチを雇う目的は、企業のトップおよび経営幹部クラスの方が、より一層優れたリーダーとして、周囲に肯定的な影響を及ぼせるようになるための意識変革、行動変革です。延いては、組織にとって、よりよい影響、成果を生みだすことを目指しています。「組織が変わるためには、トップ自身や経営幹部自身の行動変革が不可欠である」ということは多くの方が賛同できる考え方ではないでしょうか。ありがたいことに、私が所属している株式会社ウエイクアップではここ数年エグゼクティブコーチングのお問い合わせや需要がどんどん増加傾向にあり、ニーズにお応えできるよう社会経験豊富な日本を代表するプロコーチ集団を組織化しました。今後益々ニーズが高まることを願い、日々研鑽とコーチ発掘に余念がありません。

コーチングを学ぶよりコーチングを受けよ

プロのコーチは大抵コーチを雇っています。クライアントの本質的な変化に向けて関わっている以上、コーチ自身も常に本質的な変化を目指し、自分自身と向き合う時間を意識的に確保することがとても重要だからです。また、CTIジャパンが提供しているコーチングの資格を取得するプロフェッショナルコースにおいても、コーチを雇うことが受講条件の一つになっているほど、「クライアント体験」をとても重要視しています。

私自身も経験してきたことですが、コーチングを学ぶのなら、たくさんの書物を読んだり論じたりするよりもコーチを雇い、クライアント経験を積むのが一番の近道です。是非コーチングの影響や効果を自ら体験してみてほしいと思います。では、コーチを雇えば必ず効果がでるのでしょうか。答えはノーです。コーチに依存したり、セッションでは一生懸命考えるが行動しなかったり、自分自身の可能性を信じていない方には有効ではありません。

コーチは何とかしてくれる、目標達成に導いてくれる存在ではないからです。本人が変化を望んでいなかったり、何とかしたい、という気持ちがそもそもなければ、いくら優秀なコーチが関わったとしてもそこに変化が起こることはありません。本当に成果を出したいのなら、クライアント自身がコーチングセッションに価値を見出し、必ず変わる、絶対に何かを発見する、掴む、という強いコミットメント(決意)が必要なのです。

私のコーチング体験

私は2003年から15年間コーチをつけており、その間、人生の環境変化に合わせて5人のコーチにお世話になりました。環境や状況に妥協することなく、自分自身の可能性を信じながらこの15年間生きてこられたのも、コーチと沢山のチャレンジをした自分、そしてその行動を見守ってくれた多くの人々のお陰だと思っています。難病発症、転職、離婚、シングルマザー、独立、政界への出馬、母の突然の死等々波乱万丈な人生を送ってまいりましたが、ずっと隣りでコーチが伴走してくれたお陰で、今振り返っても何の後悔もなく、とても彩り豊かな時間であったと自信をもって言えることが幸せです。コーチングとは、ただ単なる目標達成だけでなく、自分の人生をより鮮やかにしてくれるものであると私は思っています。年間3万人もの人が自殺する日本。

このコーチングを一人でも多くの方に経験してもらえたら人生捨てたもんじゃない、と思えることもあるのではないかと思います。コーチングに少しでも興味が芽生えたなら、今この瞬間が行動するときです。どんな一歩でしょうか。

今回の柴原の記事は週刊ホテルレストランで連載されています。

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