2017/08/14

4つの礎

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問い

コーチングを文化にするためのスタートは「問い」が飛び交うことである、と前回の記事でお伝えしましたが、皆様の職場ではどのような「問い」が飛び交っているでしょうか。

今回は「問いの意図」について書いていきたいと思います。通常「問い」には「問い」を発信する側の意図(目的)が含まれています。

例えば、「その書類、いつできる?」というシンプルな問いですが、 この問いに含まれていそうな意図を想像してみることにしましょう。

•今日仕上るのかどうか単純に確認したい

•全体の段取りを組むための情報がほしい

•出来上がりが遅くてイライラしていることを伝えたい

•急いでいるというプレッシャーを与えたい

•ちょっと話しかけたい

等々、自分では無意識かもしれませんが、質問をするときにはさまざまな意図がそこには存在するのです。

コーチングでは、「無意識」ではなく「意図的に」質問していくところに通常の会話との違いがあります。

さて、上述のように想像してみた意図を改めて眺めてみると、すべて質問者側の利益のためだということが分かります。

念のためにお伝えすると、質問者側の利益のための質問が悪いという訳ではありません。仕事を進めていく上では当たり前の質問であり必要なかかわりです。

ここでは「一般的な会話」と「コーチング」の違いを明確にするためにあえて「利 益」がどちらにあるのか書きました。 そもそもコーチングの目的はコーチングを受ける人がよりよい状態に変化することであり、主体はコーチングを受ける側にあるということです。では、コーチングではどのような意図をもって質問をしていくのか、そもそもコーチはどのような考え方を 元に相手にかかわっていくのか「コーアクティブ・コーチング ®」の文脈にのせてお話ししていきましょう。

「礎(いしずえ)」

コーチがクライアント(相談者)にかかわる時の姿勢として軸となる「4つの礎」をご紹介します。図をご覧ください。一つ目の「人はもともと創造力と才知にあふれ、欠けるところのない存在である」は原語では「People are Naturally Creative, Resourceful and Whole」と表現されています。

今回はこの一つ目の礎と人材育成について述べていきます。

このセンテンスを読んでどのようなことを感じられましたか。例えば部下や自分よりも若い方に対して普段どのような「存在」としてご覧になっているでしょうか。

恥ずかしながら、私自身コーチングを学び始めたころはこの考え方の真逆でした。

「人によっては創造力がなく、答えをこちらが出してあげないといけないところが多々あり、改善したり、私が補ってあげたりして助けてあげないといけない存在である」

という感じです。皆さんはいかがでしょうか。 多くの方は部下や若い方に対して「自ら考え尽くし、リスクも考えた上で 選択し、依存することなく主体的に動き、自分の力を信じてチャレンジする人に育ってほしい」と願っています。

しかし、上に書いた「逆パターン」の考え方のもと人にかかわる方も少なくありません。
もしかすると「逆パターンアプローチ」の方の方が多いのではないでしょうか。

「逆パターン」で人をみていると、指示や指導、一般的観点または経験から自分の意見を押し付けるアプローチに当然なっていきます。

「この場合はこれが正しい答えである」というアプローチのみを続けていくと、どんな部下になっていくのかは想像にたやすいと思います。

「自ら考えることを止め、指示を待ち、指示されたことをこなす依存型人材」です。前号でも書きましたが、逆パターンアプローチは「知識/スキル」の能力開発分野においては必要なかかわりです。

同時に、目の前の事例を活用し、前述の考え方からくる「問い」を通し て「意識/思考」分野を開発していくことも可能であるということです。

事を進めることは第一優先ですが、 「一つ一つが貴重な学びの機会」だととらえて、自分が「今」相手をどのようにみていて、何のためにこのアプローチをしているのか自覚的であることが重要です。アプローチが偏っているのであれば、もう一方のアプローチも加えてみてください。

まず は、この礎の一つ目を職場で意識して行動してみてはいかがでしょうか。

行動と学習

一番厄介なのは、自分が「今」どのアプローチをしているのか無自覚であることです。周りからはよく分かるのですが、自分が一番気づいていないということがよくあります。

では、「無自覚を自覚的にしていくにはどうすればいいでしょうか?」

この場もまさに「意識/思考」を開発 する場ですので、この問いに対して 自分なりの答えが出てくる方はぜひその「こうする」を実行してみてください。

コーチングの観点から一つ参考にしていただきたいのは、「行動と学習」です。
コーチングは「行動」したことをしっかり振り返り、そこからの「学び」を次へどう生かしていくのかコーチと共に深め、それを繰り返す作業ともいえます。

無自覚が自覚的になる第一歩は自分の言動をしっかりと「振り返る」ことです。

「振り返り」とは、事の分析だけではなく、その「自分の行動」から自分自身が得たもの、失ったもの、学んだこと、気づいたこと、成功だったこと、失敗だったこと、さらなる自分自身の課題等々を洗い出し、次のさらなる行動へと進めることです。

その時に一人で振り返るのもいいで すが、どなたか信頼できる人と話しながら振り返りを手伝ってもらうことをお勧めします。新たな発見があるかもしれません。

この記事を読んで「やってみよう」と思われた行動があればぜひ実行してください。本質的な変容の第一歩がそこにあるはずです。

今回の柴原の記事は週刊ホテルレストランで連載されています。

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