2017/10/11

価値観の明確化と人に焦点を当てた聴き方

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前回に引き続き、今回も「価値観」について書いていきたいと思います。前号では、価値観とは何か、価値観とモチベーション、価値観の活用方法について述べましたが、今回は、コーアクティブ・コーチング®を使った「価値観の明確化」と「人に焦点を当てた聴き方」をお話ししていきます。

価値観の明確化

前号でもお伝えしましたが、価値観は感情と密接につながっています。

つまり、感情が現れているときには価値観が作用していると言えます。価値観が尊重されていると喜びがわき、人は充実感を味わうことができます。

コーアクティブ・コーチング ® では、このエネルギーを次へ向かう一歩にするため、クライアント(相談者)自身が自覚でき、自分で自分の価値観を尊重できるようにかかわっていきます。

その為にはまずご自身の価値観がどんなものか見つけていく必要があります。

一つのやり方として、次の問いを読みながら見つけていきましょう。

少し記憶をさかのぼってみてください。「あなたが今まで生きてきた人生の中で一番輝き、生き生きしていたのはいつですか?(もちろん『今』でも構いません)」

「そのとき、あなたはどこで何をしていましたか? 誰とどんな話しをしていましたか?」

「どんな場面が印象に残っていますか?」

「そのときの気持ちは?」

…恐らく、心の中でいろいろと思い出の場面が出てきているのではないかと思います。

続けて質問します。

「それらの体験からあなたが得たものは何ですか?」

「その経験はあなたにどんな価値をもたらしてくれまし たか ? 」

「あなたはどんなことに響く人ですか?」「あなたが大切にしたいものは何ですか?」

さて、自分のことについて何か分かったことはあるでしょうか。

仕事の場面だと、仕事に対する価値観がそこにあるかもしれません。逆に、どんな場面で怒りが出てきますか? 最近、仕事の場面で怒りに震えた場面を思い起こしてみてください。

何に怒りを覚えたのでしょうか 。許せなかったことは何でしょうか。あなたがそこで守りたかったものは何でしょうか。

こうして、いろいろな感情が現れる場面にはその人の価値観が作用しています。

ご自身の価値観がどんなものなのか、リストアップしていかれるといいでしょう。 そして、 明確になった価値観の中から、どの価値観を職場のどのような場面で使っていきたいでしょうか。ゆっくり考えてみてください。

それが決まれば、実際にその価値観を尊重して行動するとなると、具体的にどのような場面で、どのような行動をすることになるのでしょう。これもゆっくり考えてみてください。

そして、忘れてはいけないのが、実行と振り返り(周りに与えたインパクト、自分への影響も含め)です。

価値観を尊重して行動した時の、自分のエネルギー、インパクトの大きさや影響の範囲等々、是非価値観がエネルギー源となることを 、まずは実感していただきたいです。

「仕事場には感情を持ち込んではいけない」と昔はよく言われたものですが、上司としては、部下が感情を押し殺しているのなら、逆にどんな感情が今あ るのか、言葉に出させてあげることが上司として必要なかかわりであると言えます。

大事なのは相手の感情を表面的に受け取るのではなく、その奥にあ る価値観や部下が心から願っていること 、望んでいることに触れること、それをエネルギー源に変えていくことです。

そのためには 、「 事柄 」ではなく「人」に焦点を当てた聴き方を意識することが大切なのです。

人に焦点を当てた聴き方

さて、目の前で人が話をしているときに何を聞いているでしょうか。私たちは意識をしなければ、大抵「事柄」を聞いています。「今日、ほかの部署の方と話していてすっごく腹が立ちました」
ということを言ってきたとしましょう。

皆さんなら、次に何を聞きますか?「何があったの?」「何を言われたの?」となるでしょう。

そして、「〇×△とい うことがありまして」という事柄の話が進み、「だとしたら、△△が問題だよね。 そこを改善していきましょう」という流 れが通常だと思います。

そして、この会話が悪い訳ではありません。仕事を進めていく以上、事柄に焦点を当てることは大事なことですが、 ここで伝えたいのは「事柄」と「人」、バランスよく焦点をあてて会話をしていくことをお勧めする、ということです。

コーアクティブ・コーチング ® では 、 事柄ではなく、「人」に焦点をあてたかかわりをします。先ほどの会話 とどう違うのか、に意識を向けて読んでみてください。

「今日、ほかの部署の方と話していてすっごく腹が立ちました 。」

「すごく腹が立っているようだけど 、〇〇さ んは何に腹を立てているの? 」

「私が腹を立てたのは … 」

「 ○○さんが許せなかったのは、▲△ということなのね」

という流れです。 違いがお分かりでしょうか。さらに分かりやすい例を出してみましょう。

「私、ダイエットしたいのですが、 中々やせられなくて…」と相談があったとしましょう。

事柄に焦点を当てた質問は「どんな食生活をしていますか? 運動は足りていますか? 今何kgですか?」等々です。

これを人に焦点をあてると「〇〇さんは、ダイエットしてどうなりたいのですか? 何を目指したいと思っているのですか? 何を実現したいのですか?」となります。

コーアクティブ・コーチング ® は問 題を解決することが目的ではなく、人の本質的な変容により、課題が解消されたり、解決することを目指しています。

そのためには、本人が一人称で語る必要があり、一人称で語れる質問をしていくことが大事なのです。

コーアクティブ・コーチング ®の礎に「本質的な変化を呼び起こす」とありますが、まさにここに焦点をあてるためには、「あなたは…」「○○さんは…」と主語を「人」にする必要があります。普段の会話に「人」に焦点を当てた聴き方を織り交ぜてみてください。

今回の柴原の記事は週刊ホテルレストランで連載されています。

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