2018/10/01

「何を」指示されるかよりも、「誰に」指示されるかが重要

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ホテルフロントの仕事には様々な業務がありますが、その中の一つが宴会などの団体のお客さんの手配があります。幹事さんや旅行代理店さんとお料理や部屋割りやリクエストなどを伺いながら当日楽しんでいただけるように準備を進めます。

頂いたリスエストを今度はホテル内部の各部署と打ち合わせて行きます。そこで私が最も苦労したのは料理長との打ち合わせです。予算や人数、時間帯など希望を伝えて料理の内容を考えてもらいますが、料理人はまさに職人気質で自分のこだわりを持っていたり、個性溢れる方が多く、その分打ち合わせで苦労することも多かったです。

その頃私はリゾートホテルで働いていて20代でした。料理長は40代、50代の方々ですからキャリアや経験には圧倒的な差がありました。とはいえお客様からのリクエストを伝え、行ってもらわなければなりません。20代の若造が年上の人に指示をするようなものですから、相手もいい気分なわけがありません。

ある時確認したいことがあって調理場に行ったとき、忙しい時でタイミングが悪かったのか、手に包丁を持った料理長が「いま忙しいの分かるだろ!」と怒鳴られたり(あれは本当に怖かった)。ある時は打ち合わせをしている最中に胸ぐら掴まれて「こんなことできるか!」とキレられることもありました。

私としてはお客さんから受けたリクエストを伝えるだけなのに、なんでそんな扱いを受けなければならないのか、とはいえどうしたらお客さんのリクエストに答えてくれるようになるのかと悩みました

「あの料理長は午前中機嫌が悪いことが多いので午後に話しかけに行ったほうがいい」、「休み明けはイライラしているのでできるだけその日は避ける」など、うまくいかなかった経験を使って少しでもうまく伝えられるようにと試行錯誤をしていました。

そうやって色々と自分なりにどうやったら伝えられるかを考えたのですが、最も効果があったと感じたのは挨拶と無駄話でした。

仕事始めに調理場に寄って「おはようございます」と言ってみたり、宴会がスタートするときに「これからよろしくお願いします」と言ってみたり。あとは特別用もないのに寄って無駄話をしてみたり。

そうすると徐々に仕事の話もしやすくなり、ときには無理なお願いもしなければならないことも「仕方がない、今回は貸しだからな」と笑顔で言って受け入れてくれてくれたこともありました。

「何を」指示されるかよりも、「誰に」指示されるかが重要になることがある。その「誰」とは「どんな関係の人なのか」ということですが、それによって相手の受け止め方が変わる。これは紛れも無い事実です。

それくらい関係性が大きな影響を持っていることを当時の私は理解しておりませんでしたが、いまコーチとなってみればその重要さがわかります。

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