コーチングのコースの冒頭では、「初心」を全員で合意してもらってからスタートしています。
「初心を説明するときは、コーチングやコミュニケーションを知っているかもしれないけど、初心の気持ちで学ぶことにより、コーチングの体験が体に残ります。」
と伝え、
また、このようなことも伝えています。
「相手を初心で見る」
長年同じ職場で働いて、知っている人だとしても、ほとんどの場合は、その人の一面しか見ていません。
例えば
・何を大切にして、どんな思いで仕事をしているか
・仕事以外で影響を与えていること
・仕事以外の人間関係
こういった仕事には直接現れていないけど、仕事に影響を与えるようなことは数多くあるので、いい意味でも、悪い意味でも、レッテルを外して、初心で相手に関わってもらうことを伝えています。
初心で相手に好奇心を向けることが、相手を理解することになり、ともに仕事をする上での人間関係に影響を与えていきます。
職場の人間関係でトラブルが起きたとき、自分は正しい、相手に否があると思うことがあると思いますが、そんな時に、
「あの人のあの態度はなんだ!」
「なぜ、あんな考え方をするんだ!」
と不満をいうかわりに、その状況を俯瞰して、相手を初心で見てください。
「あの人は、何を大切にして、どんな思いで仕事をしているのだろうか?」
と考えると、人間関係のトラブルの原因が見えてくるかもしれません。
また、ぜひ自分にも「何を大切にして、どんな思いで仕事をしているのだろうか?」
の問いを考えてみてください。
人間関係のトラブルもこういったお互いの思いを理解し、お互いをリスペクトすることで、減少していきます。
しかし、こう伝えるとよく言われるとして
「自分は相手を理解しリスペクトしても、相手がそう思わないから、結局トラブルになります」
実際のところ、そういったことを言われる方は相手を初心で見ていないケースが多いのですが、実はトラブルになったときは関係を作り直すチャンスなんです。
今の人間関係では、今後仕事をする上で問題があると感じたときは、あなたが上司だったら積極的に話をする機会をもうけてください。
お互いの仕事の目的を確認し、お互い仕事をする上で何を大事にしたいのか、どんな役割があるのかを話すことにより、今後どんな関係で仕事をしていくのがベストなのかがお互いで確認できるようになっていきます。
職場の人間関係の問題の解決は、「仲良し」になることではありません。
仕事をする上で、お互いが力を発揮できるような関係を創っていくことなのです。