2018/03/06

『成果を上げるチームの関係性』の一歩前に必要な、シンプルなこと

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かつて友人との雑談の時に、その人がメンバーとして関わっているプロジェクトについて話題に上がりました。

少し話を丸めて書きますが、大枠としてはメンバーの中でコミットに差があるように見えること、またプロジェクトの先行きで不安要素があるが、それについてあまり声を出す人がいないので自分がつい出してしまい、「うるさい人」に自分がなっているのではないかと心配でもあり、同時にそういう声を出し続けなければいけないことに疲れてきている。そんな話でした。

こんな状況は業種を超えて、いろいろな組織のプロジェクトでよくあることのように思いますが、皆さんならこのような話題が出た時にどのように反応されますか。例えば

「リーダーじゃないんだから、自分のやれることをきっちりとやっておいたらいいんだよ」

「不安要素があるんだったら、ちゃんと洗い出してメンバーで共有したらいいんじゃない」

「プロジェクトの状況がちゃんとわからないから何とも言えないな。リーダーに言いなよ」

みたいな反応はよくありそうですね。自分が知っているビジネスならまだしも、そうでない場合に有効なアドバイスは難しそうですし、どれも決して悪いわけではありません。

ただ、ここで一つお伝えしたいのは、上記のような答えの中には、ある「視点」が全く入っていない、ということです。それは(プロジェクトチームの)「関係性」という視点です。

プロジェクトの不安要素という「ビジネス上の課題」、もしくはリーダー自身のリーダーシップやメンバーのコミットといった「個人」のみに着目した反応になっているということにお気づきでしょうか。

少し前になりますが、2017年11月にご紹介した組織・チームの成果を上げるために最も大事なこととは?」において成果を上げる、生産性を上げるためにも「関係性」という要素が極めて重要であるということをお伝えしてきました。また、12月には「どんな関係性がチームの成果を上げるのか」で、現場のリーダーの方が活かせる関係性作りの心構えと活用法の一端をご紹介しました。この活用法を実際のチームに試してみて下さった方もおられるかもしれません。

しかし、実は手法として活用していく一歩手前にシンプルながら大事なポイントが一つあるのです。それが、冒頭のプロジェクトのエピソードでお伝えしたかったこと、すなわちチームを見る視点を「課題」や「個人」から「関係性」視点に変えてみる、ということです。

これは通常のビジネスには無い視点なので、ちょっと戸惑う方もおられるかもしれません。チームを「関係性」から見ていくためには2つの力が必要になります。1つは空を飛ぶ鳥がチームを見ているかのような「俯瞰する力」。もう1つはそれぞれのメンバーがどのように感じているかをリアルに「感じる力」です。これを使って、冒頭の話題のプロジェクトチームにどんな「関係性の力学」が働いているか、ちょっと推測してみましょう。

俯瞰する力を使って見ると・・・

・「不安要素」などの言いにくいことを言い出せる「関係性」がないかもしれない

・リーダーシップを強くとって方向性を示す「役割」(「役職」ではなく)が不在

・メンバー同士を結び付ける力があまり強くなさそう

感じる力を使ってみると・・・

・言い出しにくいことを言う「役割」が固定化して嫌気がさしている

・リーダーも困っている、先が見えないかもしれない

・メンバーがお互いに本音が出しづらい空気感があるかもしれない

これらはあくまで推測ですが、もしチームがこのように見えたとしたら、冒頭のエピソードを最初に聞いていた時とはかなり異なる景色がチームに対して見えてくるのではないでしょうか。

そして、この視点をご自身の現場のチームに当てはめて見たとしたら、何が見えますか?もしかしたら、今までとは全く違った打ち手が見えてくるかもしれません。この「関係性」の視点から見る・感じる力をシステム・コーチング®では「関係性システムの知性®」(Relationship Systems Intelligence®)と名づけて提唱しています。これを用いて、現場のリーダーの方々に自チームを関係性の観点からマネジメントするトレーニングさせて頂くことがありますが、

「閉塞感のあるチームに違う角度からアプローチできそうな感触が持てた」

「自分のリーダーシップの盲点だった部分がハッキリ見えた」

と言った趣旨のコメントを頂いています。皆さんもこの「関係性システムの知性®」(Relationship Systems Intelligence®)の「俯瞰する力」と「感じる力」の両方の側面からご自身のチームを振り返ってみて下さい。きっと新しい発見があると思います。

「関係性」はビジネスチームの中ではまだ着目されておらず、仮に「関係性の構築」に課題を感じたとしても「飲み会を行う」「コミュニケーションを増やす」と言った表面的もしくは場当たり的な対応になりがちです。あなたがリーダーとして自チームを成長させて、さらに成果を上げていくために何かが必要だと感じられているなら、具体的な対策に飛びつく、その一歩前にシンプルに「関係性」からチームを見ることを始めてみてはいかがでしょう。

もし、まだ抽象度が高くてピンとこないと感じておられる方、どうぞご心配なく。次回以降の記事でこの「関係性」の観点からチームを見る切り口をさらに詳しく具体的にお伝えしていきたいと思います。

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