2017/09/01

生産性の高いチームに「変わる」ための鍵は?

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おそらく皆さんの周りで「生産性」という言葉が使われれたり、ビジネス系の記事や書籍で目にしない日はないと言ってもいいでしょう。

それは社会現象の一つと呼んでもいいかもしれません。その流れの中で「生産性の高い、成果を上げるチームに共通する要素」についての米グーグル社の研究が公開され、その内容は非常にインパクトのあるものでした。ご存知の方も多いかもしれませんが、改めてその研究による「生産性の高い、成果を上げるチーム」に共通する要素をまず4つ上げてみたいと思います。

2.信頼性(メンバーが与えられた時間で求められた仕事を遂行できること)

3.構造と透明性(メンバー間で明確な役割、計画、目標を共有していること)

4.意味(メンバーが仕事に個人的意味を感じていること)

5.影響(メンバーが仕事の社会的影響がプラスであると信じていること)

2~5までの順に並べましたが、研究ではこの順序で重要度が高いとされています。では、1番に重要な要素は何だったのでしょうか?ちょっと考えてみて下さい。

ちなみに以下の要素はこの研究では「チームの生産性」にはあまり関係がないという結果になりました。(あくまでグーグルでは、という注釈もついていますが)

・メンバー個人のパフォーマンス

・仕事量

・チームの人数

・在職期間

・年次序列

・同じ場所で働いている

・意思決定において合意形成を重んじる

・メンバーが外向的である

 

さて、一番重要な要素ですが、実は

 

「心理的安全性」

 

と呼ばれるものでした。これは「メンバーが安心してリスクをとれる。また、チームの中で自分の弱い部分も出せること」とここでは定義されています。

この研究を踏まえて、ご自身のチームを考えてみましょう。「心理的安全性」はあまり馴染みがない心理学用語かもしれませんが、これを日常の言葉で置き換えると

「言いたいことを言える。失敗しても受け止めてもらえる」

とでもなるでしょうか。

もしかしたらこれを聴いて、成果を求められる現場においては「キレイゴト」に過ぎない、と感じられた方もおられるかもしれません。でも、少し想像してみて頂きたいのです、

「新しいアイデアを次のミーティングで言ってみたいけれど、何を言われるかわからないからなぁ・・・」

「次の会議で古参のAさんが何言いだすかわからないから対策しておかないと・・・」

と言った「配慮」ならぬ「遠慮」や「社内の根回し」などに使っているエネルギーと時間を本来の業務に集中できるなら、どれだけ生産的になるか、です。おそらくこんな思惑が渦巻くチームであれば、誰もが非生産的だと感じているでしょう。しかし、問題は「どうやって変えていくか」です。

この研究の Introductionに出てくる、この取り組みを紹介した NY Times の記事では、リーダーがミーティングの中で自分自身の重病を告白し、それをきっかけにメンバーが自分の個人的な健康上の問題からチームで感じていた本音までを吐露していくことで結束が固まったエピソードが出ていました。

これは「リーダーが自ら弱い部分をさらす」すなわち「自己開示する」という素晴らしい実践です。出発点はやはり誰かが一歩踏み出す必要があるのは間違いありません。しかし、このレベルの自己開示をどんなチームでもやっていくのはややハードルが高いようです。

そこで1つ皆さんにご提案できるアプローチとしては、メンバーが感じている「心理的安全度」をチーム全体でまず共有するということです。

例えばミーティングの冒頭に話し合いをスムーズに進めるための土台作りとして「このミーティングでの発言しやすさ」(=心理的安全度)を10段階でメンバーに表現してもらうのです。合図で同時に指で示してもらってもいいですし、紙に書いてもらった数字を同時に掲げてもらってもいいでしょう。

そして、その数字を出した理由を数字の大きいメンバーから一言ずつ言ってもらいます。そして、全員で共有できたら、どんな行動や要素がこの場にあったら発言しやすくなるかを少しブレストしてホワイトボードにでも書き留めて下さい。

ここまで10分もかかりません。

後はミーティング中に止まるような場面が出て来たら先ほど出した「発言しやすくなるための行動」をメンバーにやってもらう、もしくは再度意識してもらいます。もし日ごろから発言が少ないミーティングであれば、これだけでもリーダーにとってその後の進めやすさは大分変ってきます。

もちろんこれだけで劇的にチームが変わるわけではないですが、こういった少しずつの積み重ねがチームの変容に貢献していく姿を我々は目撃してきました。

そして、そのためには前述した重病の告白のようなドラマチックなものではなかったとしても、リーダーとしてチームの風通しを少しでも良くしていくことにコミットしてやり続けるということが求められることは言うまでもありません。

同時にこのようにチーム全体の意識を徐々に底上げしていくように関わっていくことがチームの関係性に変化をもたらし、いつまでもリーダーが頑張らなくてもいいチームを創る第一歩となるのです。

さて、改めて最後にお伺いします。皆さんは自分のチームにどうあって欲しいでしょうか?もしより心理的安全なチームを創りたいのであれば、そのためにどんな小さな一歩を踏み出しますか?

 

参考)

Understand Team Effectiveness by Google

https://rework.withgoogle.com/guides/understanding-team-effectiveness/steps/introduction

 

Ann Rod and Marita Fridjihon, Creating Intelligent Teams, KR Publishing, 2016

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